8月11日 Yukari Shinohara

“Please let me go, I have to help my son!” “Please tell the teacher I came here…”62年前のこの街で起きた惨劇の中で聞かれた悲痛な叫び声を再現 し、会場の私たちを震感させたのは、「ヒロシマの心を伝える会」代表の松原美代子 さん。8月11日、広島平和記念館にて、私たちは彼女から原爆の体験談を伺った。 あの日爆心地から 1.5キロの場所で被爆した松原さんは、世界中のあらゆる場で平和
への希求を訴え続けてきたという。
歴史を後世に残す行為には記録と記憶の二通りがあると言われる。歴史は国家や立場 によって見方が異なり、また平和の定義も人によって様々で当然だが、特に私たちの ような“戦争を知らない子供たち”が過去を記憶する上で、今回のような体験談に触 れ、その語り部にとっての「真実」を一つでも多く心に留めることが必要だと感じた。会場をあとにして地上に出た瞬間、それまでとは違う広島が見えた気がして、日米両国の学生がこの地に立っていることの意義深さを改めて 実感したのは私だけではないはず。