SAZ発足記念セミナー「筑紫哲也NEWS23」の制作現場から 〜現役デスクが明かすニュースの舞台裏〜」

日時:2007年6月2日(土)

場所:文京学院大学本郷キャンパス

概要:

SAZは「学生による学生のための情報番組」の制作を掲げ発足され、今回、『筑紫哲也NEWS23』の金曜デスクを担当しておられる黒岩亜純氏を講師にお迎えし、2部構成で行われた。

第1部では、現役デスクとしての黒岩氏ご自身の経験をお聞きしながら、2人1組のペアになりデスク体験を行った。45項目のニュースを制限時間内にトップ12に並べる作業に始まり、視聴率グラフを予想しながらCMを入れるタイミングを考えるなど、限られた時間内で情報を取捨選択しなければならない緊張感や、番組の出来を左右する判断を下す責任をも実感するものとなった。

第2部では、ワークショップ形式をとり、今や市民が映像作品を製作・発信する事が容易となった時代を背景として、映像化する前段階となるネタ探しから企画立案までを体験した。第1部と異なるペアを組み、自身の関心のある事象や他者の興味を引きそうな事柄などからネタ探しを始め、情報収集、企画立案、全体発表を行った。特に、メディアにとって欠かせない要素である情報に関しては、インターネット・携帯電話・聞き取り調査など様々な手段を以って実際に情報獲得に奔走する時間もとられた。

感想(第59回日米学生会議参加者上野良輔)

海上保安大学校に在籍している私にとって、普段関わることが少ない「メディア」という分野を経験できたことは新鮮であったと同時に、デスク体験を通してメディアの影響力を再認識した。

デスクとは、全国から送られる大量の情報の中から放送可能な数だけをピックアップし、CMを入れるタイミングや他局の番組を勘案しつつ、放送内容を決定する役割を担う。番組開始直前まで情報が錯綜する中、ネタを取捨選択し効果的に放送するには、高い能力と時代を読むセンスが必要とされ、仕事の出来は視聴率に直結する。このようなデスクの仕事を体験したことで、メディアのもつ影響力を改めて痛感した。なぜならデスクのさじ加減一つで情報の印象は大きく変わり得るからである。実際、デスク体験においても、それぞれのグループが選んだトピックは異なり、デスクの主観が、否が応にも入ってしまうことは明白であった。メディアが世論に影響を与える一つの要因はここにある。

メディアのもつ力は良くも悪くも強大である。セミナーの中ではオウム信者による坂本弁護士一家殺害事件の例が上げられたが、メディアのもつ情報は、時に人命や国家の運命をも左右させる。「情報」と接する際また扱う際は、十分注意し、常に客観的かつ多角的な視点が不可欠であるということを改めて感じたセミナーであった。
同時にメディアがもつ力の大きさを痛感した。なぜならデスクのさじ加減一つで、情報の印象は大きく変わり得るからである。実際、デスク体験においても、それぞれのグループが選んだトピックは異なっていた。作り手の主観は情報の中に否が応にも入り込む。ここにメディアが世論に影響を与える要因があると考える。メディアのもつ力は良くも悪くも強大である。セミナーの中で、オウム信者による坂本弁護士一家殺害事件の例が挙げられたが、メディアの流す情報は、時に人命や国家の命運をも左右する。情報と接する際は、常に客観的かつ多角的な視点が不可欠であるということを改めて感じたセミナーであった。